元最高顧問
小林 陽太郎 (富士ゼロックス株式会社 元取締役会長)

(2015年9月5日ご逝去 ISL設立の立役者としてご尽力賜り、謝意を込めてお言葉を掲載させていただきます)

今、組織に問われていることは、時代の変化と競争に少なくとも耐え、出来ればリードしうる力を創造していくことで、そのためには的確な戦略に裏付けされた“組織的行動”が必要となる。特にその行動が変革を目指す、あるいは変革を伴うものであるときには、戦略を裏付ける明確な理念とビジョン、そしてそれらによって組織の共鳴と共感を盛りたてるリーダーの存在が不可欠だ。ISLのリーダーシップ・プログラムは、ユニークな手法により、リーダーシップの養成を試み、新しいビジネス・リーダーへの成長を支援することを目的としている。異業種の人間たちが、プログラムへの参加を通じ、共に啓発し合いながら、新たな価値創造に繋がる「気づき」を重ねていく。その過程で養われるのが、まさに「行動力」と「人間力」である。ISLのリーダーシップ・プログラムでは、まず「気づき」を体感してもらい、価値創造と変革が必要とする「行動力」と、理屈や数字を超えてリードするメンバーの心を動かす「人間力」を身につけてもらいたい。そして、自らの所属する組織・企業にて、周囲に影響を与えることの出来る人材として“組織的行動”の中枢となるべく新たな一歩を踏み出してくれることを期待している。

会長
北城 恪太郎 (日本アイ・ビー・エム株式会社 名誉相談役、元国際基督教大学 理事長、公益社団法人経済同友会 元代表幹事/終身幹事)

中国やインドなど、新興経済国が急速な成長、発展を続けている。巨額の財政赤字、少子高齢化といった未曾有の国内問題を抱えている日本が、このような世界規模の大きな変化の中で持続的に成長し発展するためは、政治、経済、社会の様々な分野において、イノベーション(変革)を実現するリーダーの育成が急務である。

管理と調整を行う管理者は多く存在する日本だが、これからの時代には、新しい方向やビジョンを示して、それに向かって変革し、組織を引っ張っていくことが出来るリーダーが求められる。そうしたリーダーが、他の国の人たちが思いつかないような、また、他の国で出来ないような製品あるいはサービスなどの需要を創り出し、日本の国際的競争力を強化し、国際的なプレゼンスを高めて欲しい。

ISLにおいては、NPOならではの、手作りの個性的な運営によって、これからの変革を担うことを期待される人たちに、真のリーダーとしての能力を身につけるためのカリキュラムが、効果的かつバランス良く構成されている。リーダーとしての「個」と「価値観」を形成することに重きをおいたプログラムは、ISLならではのもので、日本を代表する経営者や起業家との生の対話は、先達の生き様に触れることができる、とても貴重な機会だ。何よりも、これらのプログラムが、決して妥協することなく年々たゆまぬ進化を遂げていることも、多くの支援者の共鳴を得る理由となっているのだろう。これからも、時代の先端を行くリーダーシップ・プログラムを通して、世界で通用するリーダーを、一人でも多く育成していくことを期待し、応援していきたいと考えている。